練習方法

王向斎先生の創始した意拳の練習は大別して、
1.求力(拳術に必要な各能力、力量の養成)
2.試力(養成された各種の能力のテスト)
3.応用(実際の応用)
の三段階があり、現在では更に、站椿、試力(単人試力)、走歩、発力、推手(双人試力)、実作などに細分されます。太気拳においてこれに相当するものが、立禅(站椿)、揺(模勁)、這(走歩)、練(試力)及び各種の相対練習となります。

 

『立禅』では、ほとんど静止した状態の中で、護身的にも健身的にも最も理想的な骨格構造による姿勢(間架)を学び、それによって生み出される三角、斜面、螺旋などの効用、靭帯、筋肉等の収縮、血液循環の促進及び内臓の調整や、更には大脳、神経系統の休息、反応速度やバランス能力の向上など多くのものを求めていきます。


 『揺』は、立禅という静の状態から徐々に動に移行していくための練習です。立禅ではほとんと静止しているので、各種の力の感覚や気分というものが認識しやすいのですがひとたび動いてしまうと、これらの感覚や気分はすぐに消えてしまいます。このため、立禅で養ったものを少しずつ動くことで消すことなく、更に拡大させていくことがこの揺の目的です。揺を終えるときには、更に独特な呼吸(試声)と内部の振動(鼓蕩)を活用してその力を発する(驚力)練習を行います。


 『這』は、単なる足腰や歩方にとどまらず、構え、腕の使い方、胴体の使い方など、太気拳に必要な攻防技術の基礎作りとなります。またここでは、立禅と異なり一瞬たりとも留まらずに、わずかながらも常に動き続けることが要求されます。


『練』は大きく分けて、身体の使い方を学ぶ基本的なものと、攻防技術を学ぶものとがあり、後者にはその運動路線や目的より、差手(撥手を含む)、迎手、払手、打拳などに分類されます。しかしこれらはそれぞれ単独の技術ではなく、あくまでも便宜上の分類にすぎません。これらの動きは外部からの刺激による自然変化の結果であり、みな立禅、揺、這の延長上にありこれらの練習により成果が表れるものです。


対人練習には、基本的なぶつかり稽古から『推手』、『逆手』、『組手』など実に豊富です。この対人練習を通じて日々稽古しているものの点検、テストを繰り返し行い、またその結果と成果を基本練習に反映させていきます。その意味で、このような対人練習を総じて『双人試力』と呼ぶことができます。

(旧太気拳(意拳)拳学研究会HPから引用)